君の名は
美しかった。
涙は出なかった。
でも、「見てよかった」と思える映画だった。
映像・音楽・ストーリー
全てがギリギリの均衡を保ち、全てが透き通っていた。
沖縄の海のような、限りない透明感
音楽で全てを完璧に語りきってもいない。
でもたしかにRADWIMPSの音楽が「君の名は」の世界観を作っていた。
でもそこには美しさがあるだけで、ストーリーを乗っ取ってはいない。
ギリギリのところで全てがバランスを保っている。
そのギリギリ感がますます心を揺さぶってくる。
忘れちゃうもどかしさ
うまくかみ合わないもどかしさ
でも同じベクトルでお互いを探し続けていたから、最後は自分たちの力でお互いを見つけ出せた。
思い出せそうで思い出せない
ギリギリのところまで出かかっているのに、あと少しでわかりそうなのに
なにか強烈なメッセージがあるわけではない。
でもそれ以上に心の奥に残るなにかがある。
でもそれが何なのか今の私では表現できない。
107分はあっという間で
見終わったあとはまさに、夢から覚めたような感覚だった。
なにかものすごく大事なことをみていたようで、それがなにかわからないモヤモヤ感。
今すぐもう一度見たいとは思わない。
だけど、また半年後か1年後に、家でゆっくり見たい。
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この映画が公開されたとき、私はこの作品に微塵も興味が持てなかった。
そんな私の興味なんて関係なく、
「君の名は」は瞬く間に社会現象となり、
私の周りみんながこの作品のために映画館へ足を運び、
「最高だった!見てないなんてありえない!」と私に言った。
聖地巡礼の写真をみんながみんなInstagramにアップし、
Twitterでは何回見に行ったかを競い合うように投稿していた。
この作品が単なるタイムリープ物だと思っていた私はどうしても興味が持てなくて、
何がそこまでみんなをそうさせるのか、全くわからなかった。
ふと気が向いた今、
公開してから約10ヶ月、ようやく見に行った。
この取り憑かれたような感覚の在り処を探し求めて
みんなが足繁く映画館や四谷へ通っていたのだとしたら、
なんだかその気持ちがわかるような気がする。
もっと早くに見ればよかったとも思わない。
でも、今見れて、この作品に出会えてよかった。